FQDN(完全修飾ドメイン名)とは
完全修飾ドメイン名(FQDN)は、DNS階層内でホストの正確な位置を指定する完全なドメイン名です。特定のホスト名からルートドメインまでのすべてのラベルを含むため、参照先が曖昧になりません。
FQDNの構造
構成要素
FQDNは、ホスト名、サブドメイン、ドメイン、TLD、ルートのラベルで構成されます。
hostname.subdomain.domain.tld.
↓ ↓ ↓ ↓
www blog example com (root)
階層の読み方
右から左へ(重要度が高い順):
- ルート(末尾のドットで表す)
- TLD(.com)
- ドメイン(example)
- サブドメイン(blog)
- ホスト名(www)
FQDNの例
各例はFQDNの表記と、そのラベル構成を示します。FQDNを構成する各ラベルの役割を、実際の例で確認します。
| FQDN | 構成要素 |
|---|---|
| www.example.com. | host.domain.tld |
| mail.subdomain.example.com. | host.sub.domain.tld |
| server1.dc1.internal.company.com. | host.sub.sub.domain.tld |
FQDNと部分的なドメイン名
FQDN(絶対名)
- ルートまでの完全なパス
- 末尾のドットで終わる
- 曖昧さのない参照
- 例: www.example.com.
相対ドメイン名
- 不完全なパス
- 末尾のドットがない
- 文脈に依存する
- 例: www
末尾のドット
意味
末尾のドットはDNSルートを表します。
www.example.com.
↑
Root zone (empty label)
使われる場面
- DNSゾーンファイル
- BIND設定
- ホスト名を指すMXレコード
- 正規のDNS仕様
省略される場面
- ウェブブラウザー
- メールクライアント
- ほとんどのユーザーインターフェース
- マーケティング資料
DNSレコード内のFQDN
ゾーンファイルの例
; Zone file for example.com
www.example.com. A 93.184.216.34
mail.example.com. A 93.184.216.35
example.com. MX 10 mail.example.com.
よくある誤り
末尾のドットがないと、名前が追加されます。
mail.example.com MX 10 mail
; Resolves to: mail.example.com.example.com.
FQDNの要件
有効なFQDNの条件
- 全体で最大253文字
- 各ラベルは最大63文字
- ラベルはドットで区切る
- 英字、数字、ハイフンを使用できる
- ハイフンで始めたり終えたりできない
文字の規則
Valid: www.example-site.com.
Invalid: www.-example.com.
Invalid: www.example-.com.
異なる場面でのFQDN
ウェブサーバー
ServerName www.example.com
SSL証明書
- 証明書はFQDNと一致しなければならない
- www.example.comとexample.comは別の名前
- ワイルドカード: *.example.com
メール設定
MXレコードではFQDNを使用する必要があります。
@ MX 10 mail.example.com.
FQDNの名前解決
DNS名前解決の流れ
1. www.example.com.を問い合わせる
2. ルートサーバーが.comサーバーを案内する
3. .comサーバーがexample.comのNSを案内する
4. 権威サーバーがAレコードを返す
5. クライアントにIPアドレスが返される
FQDNを理解することは、DNSを正しく設定し、ゾーンファイルやサーバー設定でよくある誤りを避けるために不可欠です。