EPP(Extensible Provisioning Protocol、拡張プロビジョニングプロトコル)とは何か?
EPP(Extensible Provisioning Protocol)は、ドメイン名レジストラとレジストリの通信に使われる、XMLベースの標準化プロトコルです。ドメインの登録、移転、更新、管理を一貫して安全に行うための枠組みを提供します。EPPは古いプロトコルに代わる業界標準となり、ドメインネームシステム全体の相互運用性を実現しています。
EPPの仕組み
通信モデル
Registrar ←→ EPP Server ←→ Registry Database
↑ ↓
Customer Domain Records
EPPの操作
| コマンド | 目的 |
|---|---|
| check | ドメインの利用可能性を確認 |
| create | 新しいドメインを登録 |
| info | ドメイン情報を取得 |
| update | ドメインデータを変更 |
| delete | ドメインを削除 |
| transfer | 別のレジストラへ移転 |
| renew | 登録期間を延長 |
EPPメッセージの構造
リクエスト例
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<epp xmlns="urn:ietf:params:xml:ns:epp-1.0">
<command>
<check>
<domain:check xmlns:domain="urn:ietf:params:xml:ns:domain-1.0">
<domain:name>example.com</domain:name>
</domain:check>
</check>
</command>
</epp>
レスポンス
結果コード、ドメインのステータス、エラーメッセージが含まれます。
EPPステータスコード
クライアントステータス
- clientHold: レジストラによってドメインが停止されています
- clientTransferProhibited: 移転がブロックされています
- clientUpdateProhibited: 更新がブロックされています
- clientDeleteProhibited: 削除がブロックされています
サーバーステータス
- serverHold: レジストリによってドメインが停止されています
- serverTransferProhibited: レジストリレベルの移転ロック
- pendingCreate: 登録を処理中です
- pendingDelete: ドメインを削除中です
EPP認証コード
次の名称でも呼ばれます。
- Auth code
- EPP code
- Transfer key
次の用途に使われます。
- レジストラ間のドメイン移転
- 所有権や管理権限の証明
- セキュリティ検証
EPPのセキュリティ機能
認証
- クライアント証明書
- ユーザー名とパスワード
- セッション管理
転送時のセキュリティ
- TLS暗号化が必須
- 安全なTCP接続
- 証明書の検証
ドメイン移転におけるEPP
移転プロセス
1. 現在のレジストラがEPP認証コードを生成する
2. 移転先のレジストラがコード付きの移転リクエストを送信する
3. 移転元のレジストラが通知を受け取る
4. 5日間の承認または拒否の期間がある
5. 移転が完了するか、拒否される
移転ステータス
- pendingTransfer(移転保留)
- clientTransferApproved(クライアント承認済み)
- serverTransferApproved(サーバー承認済み)
- transferRejected(移転拒否)
EPP拡張
基本のEPPは、次の用途向けに拡張できます。
- DNSSEC管理
- レジストリ固有の機能
- プレミアムドメインの処理
- 猶予期間の情報
EPPが重要な理由
レジストラにとって
- 標準化された統合
- レジストリ間で一貫したAPI
- ドメイン管理の自動化
- 安全な取引
ドメイン所有者にとって
- 信頼できるドメイン操作
- レジストラをまたいだ一貫した体験
- 安全な移転メカニズム
- ステータスの透明性
EPPは、何千ものレジストラとレジストリにまたがる現代のドメイン登録システムを、安全かつ確実に動かす基盤プロトコルです。