Aレコードとは
Aレコード(Address Record)は、ドメイン名をIPv4アドレスに対応付ける基本的なDNSリソースレコードです。ブラウザーにドメインを入力すると、DNSサーバーはAレコードからウェブサイトを提供するサーバーのIPv4アドレスを調べます。
Aレコードの仕組み
example.comにアクセスすると、次の順で処理されます。
1. DNSクエリ: ブラウザーが「example.comのIPは何か」と問い合わせる
2. Aレコード検索: DNSサーバーがAレコードを探す
3. IPアドレス返却: IPv4アドレス(例: 93.184.216.34)が返る
4. 接続: ブラウザーがそのIPアドレスへ接続する
example.com. IN A 93.184.216.34
この形式は次を示します。
- example.com.: ドメイン名(末尾のドットはルートを示す)
- IN: Internetクラス
- A: レコード種別
- 93.184.216.34: IPv4アドレス
Aレコードの設定
基本設定
多くの構成では、少なくとも次を設定します。
@ IN A 203.0.113.50 ; Root domain
www IN A 203.0.113.50 ; www subdomain
@はルートドメイン(wwwを付けないexample.com)を表します。
複数のAレコード
負荷分散のため、同じ名前に複数のAレコードを設定できます。
example.com. IN A 203.0.113.50
example.com. IN A 203.0.113.51
example.com. IN A 203.0.113.52
DNSリゾルバーはラウンドロビンで順番に返すか、地理的条件などを基にアドレスを選びます。
TTL(Time To Live)
AレコードのTTLは、リゾルバーがレコードをキャッシュする秒数です。
example.com. 300 IN A 203.0.113.50
300秒(5分)のTTLなら変更後の再問い合わせが早くなりますが、TTLを下げるほどDNSクエリ数は増えます。
Aレコードの一般的な用途
ウェブホスティング
ドメインをウェブサーバーへ向けます。
@ → Your server's IPv4 address
www → Your server's IPv4 address (or use CNAME)
サブドメイン
サービスごとにAレコードを作成します。
api.example.com → API server IP
blog.example.com → Blog server IP
shop.example.com → E-commerce server IP
CDNの設定
CDNによってはエッジIPを指すAレコードが必要です(CNAMEの方が一般的です)。
example.com → CDN edge IP
Aレコードと他のレコード種別
| レコード | 目的 | 指す先 |
|---|---|---|
| A | IPv4アドレス | 93.184.216.34 |
| AAAA | IPv6アドレス | 2606:2800:220:1:... |
| CNAME | 別名 | another.domain.com |
| ALIAS/ANAME | ルートドメインの別名 | another.domain.com |
Aレコードの確認
dig(Linux/Mac)を使う:dig example.com A
nslookup(Windows)を使う:
nslookup example.com
DomScanヘルスチェック:
curl "https://domscan.net/v1/health?domain=example.com"
# Returns DNS configuration including A records
ベストプラクティス
1. @とwwwの両方を設定する: 利用者はどちらの形式でも入力する
2. 適切なTTLを設定する: 通常は300~3600秒、計画変更前は短くする
3. AAAAレコードも検討する: IPv6対応を進める
4. レコードを監視する: 誤ったAレコードはサイト停止につながる
5. 変更を記録する: 各IPアドレスの用途を追跡できるようにする
Aレコードはウェブホスティングの基礎です。ドメイン基盤を管理する開発者にとって、理解しておくべき重要なDNSレコードです。